石井 昭 著 『ふるさと横須賀』
三浦美人 『芸者さん12人選出』 |
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横須賀公正新聞社が明治四十一年(一九〇八)に、「三浦美人」一二人を発表した。これは、読者による投票の結果で、いずれも芸者衆だった。 当選したのは浦賀町の田毎(ごと)よし子、大滝町の新花家栄子、増花家メ(しめ)太、浦郷の恵比寿家さく子、大滝町の吉田家小一、広柳千太、浦賀町の若村はな子、吉沢浪子、若松町の新吾妻房子、小今、小直、大滝町の新花家小メ。 公正新聞社の「三浦繁昌記」(明治四十一年刊)には、当選者の礼状や写真、それぞれの氏名をもじった都々逸(どどいつ)などが載っている。まず、礼状は次の通り。 「青葉若葉の蔭に涼風もいと長閑(のど)けき今日此頃、皆々様方には御健(すこや)かに亘(わた)らせられ候御事いといと芽出度(たく)御祝い申上候。さて妾(わたくし)等事過(すぐ)る弥生 (やよい)の候、横須賀公正新聞社の三浦十二美人投票御催しの際は日頃の御引立によりて数ならぬ身を以て、誠に仕合(しあわせ)多き事と相成申候事の有難(ありがたく)厚く御礼申し上げ候。尚々(なおなお)此の後とも御見捨てなく幾久敷く御贔屓(ひいき)の程一同御願申上げ候」 氏名をもじった都々逸を四つほど、 ◆田毎よし子 田毎の月ほど 相手が多い よしや まことを 写すとも ◆新花家栄子 栄子盛衰 そりゃ世の慣ひ まてば時めく 新花家 ◆増花家メ太 メ太 心も 義理から解けて またも苦労を 増花家 ◆新花家小メ 新規に生きる 今宵の花や 小声で メる 櫺子(れんじ)窓 |
明治41年(1908)に横須賀公正新聞社が、読者の投票結果による「三浦美人」12人を発表した。写真は、上位当選の田毎よし子、新花家栄子、新花家メ太(しめた)。新聞紙上には、氏名をもじった都々逸(どどいつ)も |
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