石井 昭 著   『ふるさと横須賀』


土佐犬品評会  『愛犬に立派な葬式』
原文

「昭和の初めころ、よく祖父が土佐犬の番付を手にしていました。当時、家では土佐犬を飼っていました」と語るのは、横須賀市三春町三丁目にお住まいの藤井慶治さん。建築業の傍ら無類の愛犬家で、余暇を全国的な品評会や闘犬場にかけた祖父、寅吉さんの思い出話でもある。 藤井さんはー枚の賞状を広げられた。
「賞 状
出陳者 藤井寅吉
種 類 土佐ブル
名 号 小べし
年令 三年
産地 内地
中物  名誉賞
右ハ審査ノ成績二依り茲(ココ)二之(コレ)ヲ授与ス
審査員  塚本 素州
審査員  松ヶ野昌吉
審査員  浅葉 周夫
昭和六年十月十八日
第二回全国畜犬品評会
主催 横須賀愛犬会
         会長 小倉 文司 」

賞状には、横須賀市の市章が刷られてある。圧巻なのは牛皮の首輪二つ。大きい方は直径二十五a、周囲七十二a、厚み一・五a、幅十a。重さは約二`も。金文字で「愛犬金港」「田浦又一」。首飾りのように、メダルが二十個も下がる。中には、「大正十三年四月不入斗(イリヤマズ)連隊二於(オイ)テ催ス」というのも。
やや小さい方は直径二十a、幅七a。胴のバンド付きだ。金文字で「藤井」「寅吉」とあり、メダルが二十五個も。長野、名古屋、横浜、小田原各市での品評会などのもの。そのほか、昭和五年の「海と空の博覧会記念全国畜犬品評会」で得た名誉賞旗が、藤井さんの自慢のタネ。幅三十二a、縦五十八aで、周囲は黄色の房付き。
「そんな訳ですから、犬が死ぬと、たいへん立派な葬式をやり、墓は富士見町の『新墓(しんばか)』にあります。時たま祖父は、三春町の山や横浜で闘犬もしました。土俵を造り、その熱狂ぶ りは、子供ながら目を見張りました」と、藤井さんはおっしゃる。  愛犬の葬式は、昭和の初め当時の『婦人倶楽部(くらぶ)』に載った、という。今この雑誌を探しているが見当たらない。残念である。
原本記載写真
品評会や闘犬場で活躍した土佐犬の首輪=写真=である。右側は直径25a、周囲72aの牛皮製だ。メダルが20個も付いている左側の小さいほうは、直径20a、巾7aの銅のバンド付き=横須賀市三春町3ノ8 藤井慶治さん提供

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